第6章 メタ認知論者の肖像
はほとんど理解できなかった。私にとっては門外漢で難解だった。しかし批判的にズバッと切り込むところは気持ちがいい。そして、このような問題意識は理解できる。
(長いですが引用します)『登場人物の中に自己と他者を見出させることはできます。子どもたちもよく理解します。しかし、それを表現させた時に、何故、どのように子どもたちがこの表現に行き着
いたのかということを分析することが出来ないのです。<中略>それが「実践研究会水輪」にとって、長年の問題意識でした。』P142
いいなあこの視点。
マトリックスの思考の軸は面白い。23種類もあることも驚き。P144
これは納得。私の一番の問題意識があるところです。引用「職員室は多様な能力をもつ個人が集まっているほど、そのチームとしての力量が高くなるという特質を持っています。」P148
もちろん我々の仕事でも全く同じ。みんなの特技や考え経験を持ち寄り、その都度刺激しあって新しい仕事に挑んでいます。
3つの「人ざい」の話も大変興味深い。P151
この感じ方も素晴らしい。P151
「この3年間の若手二人の成長ぶりには目を見張るものがある。最近は、この二人を育てたという自負をもつ私でさえ驚くような動きを二人が見せることがよくある。」
最後に長文の引用をお許し下さい。P153
続き『<略>3年間できみたちが触れ合ったあの四人の新卒たちが、若さ故に体当たりできみたちに向かう姿勢を見て、或いはきみたちとのコミュニケーションがなかなかうまくいかずに悩む姿を見て、きみたちが学んだことだって決して少なくなかったはずなのだ。それだって「潤い」だったのである。文句など言わせない。むしろあの三年間は、教師が、或いは教師団がぐんぐんと成長していく空気を、生徒たちも無意識のうちに感じ取っている、そんな稀(まれ)な三年間だったのである。
言い訳に聞こえるかもしれないが、それが真理だ。』
高らかに歌い上げるようなこの文章も読ませるなあ~!ぐっとくるよ。
それにしても、いろんな顔を持っている人である。ひとつでも大変なのに。内容的には文学的要素の話が多いので、私には大変読みづらかった。でも、それでもなんとか最後まで読ませたのは、やはり、序章での挑戦状にある。絶対にそうなのだ。後は思考回路の断片が時々私と共振したことかな。
この本は、教育書という意味合いだけではない。小説なのか研究論文なのか哲学書なのか指南書なのか決意表明文なのか檄文なのか・・・。いやこれは「ラブレター」である。
そう確信している。
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