「映像プロデューサーとは 〜コミュニケーション論にかえて〜」

講師 平井良信 (有限会社 カヤ)

2004/01/23 11:05〜12:35 於:大阪教育大学柏原キャンパスC6106教室

 13名の3・4回生に授業を行いました。 彼らは「社会科授業メディア開発実習」を手取先生に受けていて、もちろんメディアリテラシーの勉強もされています。中学校・高等学校の社会科の先生を目指しておられます
 今回は学生の顔を見ながらゆっくり落ち着いて話すことができたと思います。「なぎら健壱」のギャグも細かな演出のおかげで受けました。(^^)ゞ
 まず、最初にお話ししたことは、私がこれから皆さんと会うことはは二度とないであろう、だからしっかり聞いて欲しい、 そして最後になんでもいいからひとことだけでも意見・感想を言って欲しい、私もみなさんと話したい、ということでした。


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この真剣なまなざし


《 ビデオ完成しました。予告編をご覧ください。

質問

1)ナレーターはギャラがいいのでなりたい(男性)

2)先ほどのビデオを音無し(消音)でみせてください。(女性)
3)撮影済みのビデオを編集してもらえるのか?(男性)
4)失敗したという作品を見たい(男性)

5)録音の時ダメなことは (女性)

6)作品におけるマイナスイメージとは?(男性)
7)楽しそうなお話でしたが、この仕事の最大の魅力は?(女性)

なかなか鋭い質問もありました。

→ギャラがいいように思うが安定しない、働ける期間が短いので考えた方がいい。
→見ていただきました。まさしくメディアリテラシーです。
→その範囲なら自分のPCで編集した方がいい。編集スタジオは高い。
→見ていただきました。(プロデュースミスで100万ミスった仕事で映像的には問題なし)
→現場は信頼して任せている。が、ひとつ言えるのは映像・ナレーション・音楽の調和である。

→よくわからなかった。
→いやあそう感じていただいたのなら大変うれしいです。
それは人と会えて、勝負できることです。勝負とは気持ちを「やりとり」することです。本気のコミュニケーションと言う意味で「勝負」です。これが私が想うコミュニケーションの神髄です。52才になってやっとそういうことができつつあり楽しい毎日を過しています。その楽しさをみんなに伝えたくてここにも来ているのかも知れません。


ウィリアム・アーサー・ワード(英国教育学者)の言葉です。
「凡庸な教師はただしゃべる。 良い教師は説明する。 優れた教師は自らやってみせる。 偉大な教師は心に火をつける。」

私はしゃべって、説明しました。 果たして、心に火をつけられたのでしょうか・・・・・

使用したPPT



あっちにいったりこっちへいったり無茶苦茶な進路にも意味がある?




いつも2〜30人のスタッフと仕事をしています。 機会があれば
編集や録音スタジオに見学に来て欲しいと提案しました。

※プレゼンボードや実際の見積りの一部分、
仕上がったDVDの映像も見てもらいながら

映像終了後には盛大な拍手もパチパチパチと起こりました。
暗闇の中で私が最初にたたいたのですが...。これも演出。

名刺を使った「つかみ」の話し、知らない「コトバ」は気になる。
ナレッジプロデューサー って何?

プロデュースにリスクは付きもの。読み違いで100万損を
した話しなど、具体的で生臭い話しもいっぱいしました。

プロデューサーとしての能力は教師としても
大事ではないかと提起しました。

チャップリンの話しから、私の最高傑作は
次につくる作品という話でエンディング

弊社制作映像は「チャンネルパナソニック」 http://ch.panasonic.co.jp/
CH10「技術情報」を選んで下さい。 2作品あります。
―――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
03.07.28「Bioelectoronics by Panasonic バイオエレクトロニクスで拓く夢のあるくらし」 <5分7秒>
03.07.22「Nanotechnology by Panasonic ナノテクノロジーが拓く夢のあるくらし 」<5分32秒>
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各方面から感想メールをいただきました。

《大阪の小学校 S先生より》
早速,HPを見せていただきました。
「まとめにかえて」の4点は考えさせられました。
「プロとしての自覚」は,もっと高まる必要があるでしょうね。今の教師は,保身的で自覚が無いとはいえませんが減退しています。
「調和」と「緊張と緩和」は,多くの教師も自分の中のそれにあてはめて考えることができるかと思います。
私は,やはり授業のことを考えました。
最後の「繋ぐと結ぶ」が最も考えさせられました。 教師の発言に「繋く」を指す言葉はよく耳にしますが,「結ぶ」は少ないですね。 教育の評価が即時的に示すことができないと決め込んでいるのか,「結ぶ」ことを曖昧にしていると思います。
大変,勉強になりました。

●「まとめにかえて」をそう読みとっていただけるとは思いませんでした。わたしにとっても発見です。ありがとうございました。ただ結ぶということは結果(評価)という意味ではなく生み出すといった程度の意味です。 (平井談)

《千葉の小学校 S先生より》
いくつか感想です。
1.話し手の表情
 受講者から、楽しそうに話されるという感想がありましたが、 話し手の表情というのは、教師にも必要な技術だと感じます。 野口芳宏先生が話される時の表情も、いつも見事で、自分はどんな顔で授業をしているのか、時々自問しながら授業しています。
2.教師との共通点
 ほかにも、6のまとめにかえてというところのタイトルを見て、教師と共通することがたくさんあるように思います。 プロの自覚、調和、緊張と緩和、繋ぐ・結ぶ
 こうしたテーマについての平井さんの考え聞かせてほしいです。
3.おわりのことば
 チャップリンを引用しての、最高傑作は次に作る作品、 これも教師につかえます。ある程度自分の思い通りの学級経営ができた時など、次のクラスへのモチベーションが下がったり することがあります。そんな時、肝に銘じたい言葉ですね。

 私は、地元習志野市で、ならしのねっとというMLに参加 して時にはオフ会を通じて交流しています。なんといっても 異業種の方と教育の話ができるのが楽しいのです。学校とは違う視点からの意見。そして、立場は違っても共通することもあるなという共感。これからも、こうした出会いやつきあいを大切にしたいと考えています。

●最後に質問タイムを設けたのも、指名で当てたのも、もちろん野口芳宏先生の影響です。 「繋ぐ・結ぶ」のお話は、またお会いしたときにゆっくりさせていただきます。 (平井談)

《大阪府枚方市の小学校 Y先生より》
平井さん今晩は。 今日のimeの研究会並びに新年会ご苦労様でした。  
教育大学での授業風景みました。落ち着いて余裕のある表情で、とても楽しそうに見えます。前回の立命館の授業の時も、私のほうから「まとめの話」ということで 「教師もある意味でプロデューサーである」という言い方をしたのですが、平井さんの話は教師を志す学生にとって非常に示唆に富んだお話だったと思います。
ビデオが楽しみです。

●そんなに楽しそうに見えますか?昨年の立命館大では確かにあがっていて何をしゃべっているか分かりませんでした。でもその1回目があり今回があるのです。ありがとうございました。 (平井談)

《兵庫県尼崎市の工業高校 S先生より》
授業の資料と映像を見せていただきました。私は生徒に当事者能力をつける事が生きる力を育てる事になると思っています。プロとしての自覚とはその事を表す言葉だと思います。 緊張と弛緩は授業の流れの中で教師として意識している事柄です。同時に場の流れを読むという面では非常に大切だと思います。繋ぐ、結ぶとは人的なネットワークだけでなく、自分の知識構造を出来るだけ外界に開いておくことで、初めて可能になるこ とだと思います。
私はもうひとつ前のプレゼンテーション力とも関連して最後に参加者や自分自身にもコメントを求めている点がすばらしいと思います。自分の立つ場所がどんな場所であっても、周囲を観察し、場の流れをつかみ、次第に能力を身につけて、コメントや質問が出来るようになり、仕事の必要事項を列挙して時間順に整理する段取りが生まれ、最終的には主要メンバーとしてその場の運営に携わる事が出来る。これはどの場合にも通用する「生きていく力」の具体的な中身だと思います。
生きている事が楽しいという感覚を持ちながら仕事やその他の事をやりたいと思っています。世界が驚きに満ちていた少年のときをいまだに心の片隅に持ち続けて人生のアクセルは未だ前のつもりでいたいと思っています。
話し変わって、このビデオを発売するなら¥1000から¥2000でいかがですか。

●みなさんの読み込みに驚くばかりです。それともたまたま私が思ったことが、教育現場と相通じるところがあるということなのでしょうか? ご意見をいただいた4名の先生がみなさんそう思っておられると言うことはその通りなのでしょう!
はじめに最後のコメントを求めるのは、聞いて考えないと質問できないので、ちゃんと聞いて貰うためのギミックと、一人ひとりの意見を聞くことはその場にいる人々に影響を与えます。オープンナレッジからナレッジの拡散を目指しています。 (平井談)

《大阪市の広告制作会社経営者 Kさんより》
ビデオ期待して待っております。
生徒の質問のひとつ、実に的を得てましたね(^^) 私が日常的に抱いている感想そのものです。 その答えはいかがなるものだったのでしょうか。 “話す”を“生きている”と変えて、改めてお聞きしたいです。

●実際にどう答えたか私もビデオを見ないと分からないのですが、まともに答えてないと思います。私自身もよくわからいのです。よーく考えてまたお話します。^^; (平井談)

《大阪堺市の小学校 M先生より》
私の名刺は、師匠の名刺のレイアウトをもろにパクりつつ、小細工しています 実際、たくさん名刺がたまってくると「あれ、この人どんな人だったかな?」 ということが多く、断然写真入りがお薦めです
自分の顔の写真を、ワザと横に引き伸ばし ちょっと太めにレイアウトしておきます そうすると、名刺を渡したときに 「あれっちょっとお痩せになりましたか?」 と言ってもらえます
あと、もう一つポイントは 名刺ケースはいつも持ち歩いていません 突然に必要になることがあるので いくつか財布にも入れてありま〜す (ボロボロになるけど、無いよりまし) 不思議なもので サラリーマンの営業時代は 名刺配りがいやでいやで ずいぶんと燃やしていました・・・・・

●Mさんも苦労していた時代があるんですね。私も名刺配りはずっといやでした。しかし最近は名刺入れを2つと、手帳に最低5枚入れています。小道具(手裏剣)はいつも持っていないと敵を捉えられないんです!(平井談)

《兵庫県の仕事仲間 映像作家 Nさんより》
平井さん、新年早々、鼻息荒いですね。 またビデオ出来たら、見せて下さい。 今から、つっこむネタいろいろ考えておきます。

●ありがとう。ボケに磨きをかけておきます。(平井談)

《大阪市の企画会社代表 Tさんより》
内容を拝見してますと私も聞きに行きたかったかなと思ってます。 学校の先生の仕事も<生徒をプロデュース>している仕事なのかなと。 又異業種の方の授業は現場の先生とは違った視点での講話で興味が湧き刺激になって良かったのではないでしょうか? 学生も平井さんのあの独特なキャラクターに考えることが沢山あったことでしょう。 私も2月に和歌山県のセミナーで1時間ほど話をしない といけないので平井さんに話し方のポイントなどお聞きしたいです。

●ありがとうございます。そんな褒めていただいて。 ^^; 私が独特なキャラクター?(^_^) 自分では普通だと思っているのですが。
ポイントをお話しましょう。 簡単です。 話したいことを自信を持って話してください。 決して飾ったりしないでストレートに。



大阪市立大学(2004/04/05)
「講義収録・編集について」
大阪成蹊大学(2004/04/26)
「映像プロデューサーとは
〜コミュニケーション論にかえて〜」3
立命館大学 草津キャンパス(2004/05/28)
「映像プロデューサーとは
〜コミュニケーション論にかえて〜」4
奈良県桜井市立桜井南小学校(2004/7/8)
「特別授業」

同志社香里中学校(2004/11/17)
「映像プロデューサーとは
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京都市立伏見工業高校(2005/02/14)
「映像プロデューサーとは
〜コミュニケーション論にかえて〜」6

同志社香里中学校(2005/11/14)
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同志社香里高校(2006/02/09)
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大阪市立市岡高等学校(2007/02/21)
「映像プロデューサーとは
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大阪市立扇町総合高等学校(2007/07/04)
「映像プロデューサーとは
〜コミュニケーション論にかえて〜」18